スモッグ、スモッグ、スモッグ
ブログの更新が遅れました。先々週はほぼ一週間中国に行き、先週は複数の特許調査、商標調査、アメリカのOA対策などがあり非常に忙しく、ブログの更新どころではなかったです。
今回は中国出張のことを記載します。
先々週ですが中国の北京にて複数の特許事務所を実際に訪問させて頂き、食事などをご一緒させて頂きました。その中で、本当に色々な中国知財に関する情報を得ることができました。やはり実際に行って会いますと、ああゆうところなんだというイメージが湧きますし、各代理人にも親近感が湧きますので非常に良かったです。
特に、今回は種類の違う複数の中国事務所を訪問できたことで(コストは比較的高いところやコストは比較的安いところ)、日本のお客様から中国移行案件が来た時には、お客様のご意向を反映させた中国特許事務所を選択することが可能となります。
そのなかで、2,3の中国特許事務所と日本特許事務所との違いを見つけました。
まず、(1)中国知財はいま確実にバブルです。出願件数がうなぎ上りで、特許と実用新案はそれぞれ年間120万件(日本の3倍!)、意匠が60万件、商標200万件です。中国の実用新案は新規性だけは見られるが非常に強い権利だそうです。ただ、外国企業の出願は特許がほとんどだそうです。代理人にバブルはいつかははじけるのでは、と聞いても国がコントロールしているのである程度は大丈夫だとの返事でした(どこまで本当になるかはわかりませんが)。
(2)そのあおりを受けて、中国特許事務所の数、弁理士の数が飛躍的に増えています。また、弁理士試験は日本と違い比較的簡単で合格率は20%だそうです。まぁ、それだけ仕事があれば人も集まってくるわな、という感じです。
(3)中国の特許事務所はほぼ全てが規模がでかいです。100人以上は普通です。日本やアメリカの場合、個人経営が多いですが(日本は70%)ですが、中国は違います。ほぼでかいです。多分、団体好きな共産主義だからだと思います。ですので、中国弁理士はほぼ独立できません(泣)。
(4)中国において知財関連訴訟は増えてきており、著作権60%、商標権30%、特許権10%程度だそうです。特に、最近は特許訴訟に力をいれており(中国政府が知財を守ることに力を入れている)、損害賠償金額の上限も最近上げられたとおっしゃっていました。
まあ、中国知財に関する情報はざっとこんな感じでしょうか。
あと、個人的なことを書かせて頂きますと、今回の中国は学生時代に北京に訪れて以来、私にとっては20年ぶりの北京でした。その印象はというと、街は変わり果てた、どこもかしこも大きなビルが建った、特に写真のようにスモッグがひどかったです。20年前の写真を見ると、空は晴れ渡っていますが、今回は、ほぼ常に空に霧がかかっているような状態でした。それを見ると何か非常に悲しくなりました。そのあおりを受けてか、日本人はほとんどいませんでした。
しかしながら、街で合う中国人の性格自体は昔とあまり変わっていなくて、熱気があり、その点は非常に嬉しかったです。あと、小麦文化なので、日本と違い中国のラーメンは麺を食べる直前に小麦から伸ばしてお湯に入れてゆでて食べます。その手さばきや味はやはり本場という感じがして、非常に懐かしかったです。
以上が今回の中国出張に関する感想です。
蓑和田国際特許事務所 蓑和田 登