英検1級弁理士Mの空飛ぶブログ

所長弁理士蓑和田のブログです。少しずつ気長に知財関連の記事などを載せてゆければと考えております。時には毒を吐くかもしれませんが何卒お許し下さい!

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米国特許の登録査定(PPH活用案件)

米国特許の登録査定(PPH活用案件)

 ご無沙汰しております。久しぶりのブログの更新となります。ネタは有るのですが、ブログもなかなか癖にしないと更新が難しいです。


 ところで、弊所ニュースとして、今年の3月17日に特許審査ハイウェイPPH請求を伴って米国移行した案件の一発登録査定(いわゆる拒絶理由通知がなく登録となるケース)が添付の写真のように5月18日に届きました。正直、移行から2か月でのUSPTOからの登録査定ですので弊所の最速記録となります。
 米国庁の審査結果が届くのは通常、移行日から1年半~2年程度要するため、早期に権利化を図りたい場合であって、日本で既に特許査定を得ている案件に関しては、この例のようにPPH制度を利用することが非常に有効となります。
 今回は、米国特許が2か月での一発登録査定という少々びっくり嬉しいニュースを報告させて頂きました。

 弊所は、日本特許・意匠・商標のみではなく、国際特許・意匠・商標出願を非常に得意としておりますので、そのようなお客様がおられたら是非遠慮なくお声かけ下さい。相談は無料です。お待ちしております。

 蓑和田国際特許事務所 蓑和田 登

2021年06月26日

Adios Diego Almando Maradona!

Adios Diego Almando Maradona!

 先週ニュースでマラドーナが死去したことを知った。
 私の子供の時のヒーロはマラドーナだった。特にメキシコワールドカップは非常に印象に残っている。サッカー部に入部したのもメキシコワールドカップを見たから。大学時代にはアルゼンチンのボカを訪問してサッカーの試合もみた。当然マラドーナはいなかったけれど。
 私にとっては彼はサッカーの唯一無二の選手で今でも史上最高のプレーヤだと思う。サッカー以外の話題も多かったが何といっても人間的な人だという印象しかない。
 そんな私がイタリアのナポリフットボールクラブの日本商標(8件)の代理人になって無事に登録に導けたことがある。この商標出願は私が独立した後の印象に残る商標の一つ。その時は、なんかよく分からないがマラドーナに繋がったようで非常に嬉しかったのを覚えています。


 彼のご冥福を心よりお祈り申し上げます。

 蓑和田国際特許事務所 蓑和田 登



2020年12月01日

中国商標の異議申し立て期間について:直接出願VSマドプロ出願

中国商標の異議申し立て期間について:直接出願VSマドプロ出願

 中国商標の異議申し立て期間について、①直接出願の場合と②マドプロ中国指定出願の場合との違いを明確に示しているサイトが無かったので記載しておこうと思います。

 ①直接出願の場合
 この場合、登録査定通知に異議申し立て期間の始期が記載されていますので、その日から3か月間が異議申し立て期間であり、その期間を経過後に正式な登録となります。

 ②マドプロでの中国指定出願の場合
 マドプロ出願の場合においても3ヵ月の異議申立て期間もあります。
 具体的には、下記に記載の中国商標法実施条例第四十五条に記載されており、WIPO(世界知的所有権機関)の「国際商標公報」が出版された翌月の1日から3ヶ月以内に、異議申立人は、中国商標局に異議申立てを提出することができます。異議申立てがあった場合、WIPOを経て日本代理人などに通知がなされます。
 WIPOの国際商標公報はマドプロ願書を特許庁に出願してから比較的早期に発行されていますので、中国庁からのWIPO経由での登録査定が届くときには、異議申し立て期間が経過済みの場合がほとんどだと思います。

 <中国商標法実施条例第四十五条>
 中国を指定する領域指定出願に対し、世界知的所有権機関の「国際商標公報」が出版された翌月の1日から3ヶ月以内に、商標法第三十三条に規定される条件を満たす異議申立人は、商標局に異議申立てを提出することができる。
 商標局は、拒絶期間内に、異議申立ての関連状況を拒絶決定の形で国際事務局に通知する。
 被異議申立人は、国際事務局から転送された拒絶通知書を受け取った日から30日以内に答弁することができる。答弁書及び関連証拠資料は、法に従って設立した商標代理機構を通じて提出しなければならない。

 以上備忘録のために記載させて頂きました。

 弊所は、日本特許・意匠・商標のみではなく、国際特許・意匠・商標出願を非常に得意としておりますので、そのようなお客様がおられたら是非遠慮なくお声かけ下さい。相談は無料です。お待ちしております。

 蓑和田国際特許事務所 蓑和田 登

2020年11月20日

パリ条約第4条C(1)(2)(4)に関して:実務者向け

パリ条約第4条C(1)(2)(4)に関して:実務者向け

 ご無沙汰しております。
 先日ですが、パリ条約第4条C(1)(2)(4)に関して実務で関連することがありましたので備忘録のために記載させて頂きます。

 パリ条約第4条C(1)(2)(4)は以下のように記載されています。
 (1) A(1)に規定する優先期間は,特許及び実用新案については12箇月,意匠及び商標については6箇月とする。
 (2) 優先期間は,最初の出願の日から開始する。出願の日は,期間に算入しない。
 (4) (2)にいう最初の出願と同一の対象について同一の同盟国においてされた後の出願は,先の出願が,公衆の閲覧に付されないで,かつ,いかなる権利をも存続させないで,後の出願の日までに取り下げられ,放棄され又は拒絶の処分を受けたこと,及びその先の出願がまだ優先権の主張の基礎とされていないことを条件として,最初の出願とみなされ,その出願の日は,優先期間の初日とされる。この場合において,先の出願は,優先権の主張の基礎とすることができない。

 さて実務での場面は、外国のクライアントから連絡があり、端的に申しますと、そのクライアントは欧州商標を8カ月前に出願し、韓国商標を欧州商標を基礎とした優先権主張をして2か月前に出願したと言われました。そして、今度は日本で商標を取得したいが、韓国商標出願に基づいて優先権は主張できればしたい、という話でした。

 ここで解答となるのですが、実務者でもなかなか直ぐには判断は難しいのではないのでしょうか。解答としては、韓国出願に基づいて優先権は主張できないということです。
 それには、パリ条約第4条C(1)(2)が関連する話であり、パリ条約第4条C(1)に記載のように商標の優先期間は6か月です。ですので韓国出願に基づいて優先権主張はできそうですが、パリ条約第4条C(2)の記載より、優先権主張の基礎とすることができるのは、パリ条約の同盟国における最初の出願のみ、すなわち本件では欧州商標のみとなるからです。
 しかしながら、例外規定パリ条約第4条C(4)があって、同一の同盟国に出されたなどの要件を満たせば後の出願を優先権の基礎とすることができますが、ここでの韓国出願はその要件を満たし得ません。

 ですので本件の結論としては、できるだけ早期に優先権主張のない日本商標出願をする、というのがベストな選択肢になろうかと思います。今回は実務者でないと良く分からない内容かと思います。

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 蓑和田国際特許事務所 蓑和田 登

2020年10月09日

今年から日本意匠の出願時の自動付与されるアクセスコードに関して

今年から日本意匠の出願時の自動付与されるアクセスコードに関して

 ご無沙汰しております。蓑和田です。
 今年に入ってからはコロナの影響も多少はございますが非常に忙しくさせて頂いており忙しいととてもブログ更新をする気にもなれず、今回久々のブログ更新となります。
 私も過去にリーマンショックを経験しておりますので、そのときの特許事務所の状態を知っておりますので一刻も早い景気回復が望まれるところです。私の個人的意見としてはこのコロナクライシスからはニュースで報道されるより以外に素早く世界は景気回復するのではないかと思っております。

 知財に関してですが、2020.1.1日より日本意匠出願にもアクセスコード(Digital Access Code(DAS)コード)が出願時に自動的に付与されるようになりましたのでこの扱いに関して備忘録として記載しておきます。
 特許出願においては以前からアクセスコードが出願時に自動付与され、この特許出願に基づいてPCT出願(国際出願)をすることで各国移行時の優先権証明書の提出を省略できるという非常に大きな事務作業上の利点がございます。
 それでは意匠の国際出願に関してはどうかと思いWIPO日本事務所に質問をしましたら以下の回答を得ました。

【アクセスコードについてですが、アクセスコードの発行方法・提示方法はその国または機関によって異なります。WIPOでは、それぞれのDAS参加庁の発行方法・提示方法については具体的情報がございませんので、各国特許庁に直接お問い合わせください。どうぞよろしくお願いいたします。】

 簡単に言えば自分たちの責任で調べてやってくれという回答でした。
 意匠の国際出願(ハーグ出願)では韓国指定の際には、出願時に優先権証明書の電子添付が必要となり、また米国指定の場合には、米国からの審査結果1stOAが来た際に未だ優先権証明書を提出していないとその提出が求められ、現地代理人の費用が否応なしに発生します。
 ですので、このDASコードをハーグ出願の願書に記載することでこれらの優先権証明書提出の作業を省けるのかと思いきや、実際はそのようなことは無いようです。
 その理由としては、PCT出願は日本特許庁に行うのが一般的なので、日本特許庁がWIPOに優先権書類を提出するという流れは理解できますが、ハーグ出願であるeハーグなどでは基本日本特許庁を介することなくWIPOにそのまま出願されますので優先権証明書の発送を日本特許庁が担う機会がないからです。
 しかしながら、この場合にハーグ出願の願書にDASコードを記載する利点というのは一体何になるのでしょうか?今思い浮かぶのが中国や台湾などのハーグの未加盟国で日本特許庁とDASコードの相互締結をしている外国ではその国での意匠出願時にDASコードを記載することで優先権証明書の提出が省けることです。多分、一番の利点はこの点かと思います。

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 蓑和田国際特許事務所 蓑和田 登

2020年05月06日

谢谢圣诞礼物!很好吃了。今后还请多多关照!

谢谢圣诞礼物!很好吃了。今后还请多多关照!

 新年明けましておめでとうございます。
 弊所も開業して間もなく4年が経ち、本年度が5年目となります。今後もクライアントの皆様のご期待に沿えるサービス提供を続けてゆく所存ですので本年度も宜しくお願い致します。

 少々遅いのですが、昨年末に中国提携事務所よりクリスマスプレゼント(チョコレート)を頂き大変感動しましたので写真をアップしブログ記事として残しておきたいと思います。この中国チョコレートは非常に美味しかったです。

 谢谢圣诞礼物!很好吃了。今后还请多多关照!

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 蓑和田国際特許事務所 蓑和田 登

2020年01月05日

この27日からマレーシアへのマドプロ出願が開始します

この27日からマレーシアへのマドプロ出願が開始します

 早いもので今日で本年度の最終営業日となります。本年度も非常に多くのクライアント様にお世話になり感謝しかありません。来年度も何卒よろしくお願い致します。

 さて本日27日よりマドプロ出願でマレーシアを指定(1区分毎に259CHFの費用)することでマレーシア商標の取得ができるようになります。実は昨日マレーシアを指定国に含むマドプロ願書MM2を特許庁に郵送しており、早速利用させて頂いております(笑)。

 従来マレーシア商標を取得する場合、現地代理人に依頼し、公証役場に行って公証を得てという非常に多くの手間と費用を要したのですが、マレーシアがマドプロに加入しましたのでこれらの手間を一気に省くことができて非常に便利になりました。
 また、拒絶の場合には国際登録証の通知日から18か月以内に拒絶通知が必ず来ますので権利化のスピード化も図れます。

 これで東南アジアの国でマドプロに加入している国は
 シンガポール、ベトナム、フィリピン、カンボジア、ラオス、ブルネイ、タイ、インドネシア、マレーシア(加盟順)
 となります。ASEANの国で加盟していないのは商標法制度のないミャンマーだけとなりました。
 東南アジアの商標権の取得にはマドプロ出願が非常に便利で、且つ経済的になってきております。東南アジア諸国の商標権が必要な場合にはマドプロ制度を利用しない手は有りません。
 本年のブログ記事は以上となります。来年度も何卒よろしくお願い申し上げます!

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 蓑和田国際特許事務所 蓑和田 登

2019年12月27日

中国商標の無効審判:中国で第三者に自社の商標を勝手に取られたらどうするか?

中国商標の無効審判:中国で第三者に自社の商標を勝手に取られたらどうするか?

 先日、弊所のクライアント様から中国へのビジネス展開を検討中に、全く知らない第三者(中国人)が勝手に取った商標権が発見され、中国ビジネスを全面的にストップしたが、今後どのように対処したら良いかとのご相談を受けました。
 また、クライアント様は中国商標権の無効審判を検討したいということでした。しかしながら、中国で商標権を無効にすることはたとえ悪意のある第三者による出願だとしても簡単ではありません。
 その理由を以下にまとめておきます。

(1)中国商標法第32条に基づいて、係争商標出願人が、他人によって先に使用されかつ一定の影響力を有する商標を、不正な手段により駆け抜け登録したことを主張するには、大量な証拠を提出して、日本企業の商標が係争商標の出願日前に既に中国大陸で使用され、かつ一定の影響力を持つことを証明しなければなりません。
 ここで、「先に使用されかつ一定の影響力を有する」とは、中国で先に使用されており、特定の範囲内の関連公衆に知られていることを指します。

 商標が一定の影響力を有することを証明できる証拠について、中国商標審査基準には以下のように挙げられています。
 ①当該商標を最初に使用した時期及び使用継続状況に関する資料
 ②当該商標を使用する商品/サービスの契約、領収書、貨物引替証、銀行入金証憑、輸出入証憑等
 ③当該商標を使用する商品/サービスの販売区域の範囲、販売量、市場シェアなどに関する資料
 ④当該商標にかかわる放送、映画、テレビ、新聞、定期刊行物、ネットワーク、戸外等のメディアの広告、メディアの評論及びその他の宣伝活動資料 
 ⑤当該商標を使用する商品/サービスについて参加した展示会、博覧会に関する資料
 ⑥当該商標の受賞状況 
 ⑦当該商標に一定の影響力があることを証明することができるその他の資料

 まず最初に言っておきたいのは、無効審判の請求時にこのような資料を作成する必要があり、非常に多くの費用と時間を要します。
 次に、日本の企業様の商標権は中国大陸において使用されていないことが多く、普通に考えると、特定の範囲内の中国での関連公衆に知られていることを証明するに充分ではないケースがほとんどであり、中国審査官に日本企業の商標が既に中国大陸で一定の影響力を持つことを認めてもらうことは非常に難しいです。
 従って、一般論としては(極まれに例外はあるかもしれませんが)、たとえ悪意の出願であるとしても、商標法第32条に基づく無効宣告審判で勝つ可能性は高くないです。

(2)その他の手法として、中国での商標審査基準に基づいて、他人が不正な手段により商標を登録したことを主張する手法があります。具体的には、①係争商標の出願人が一貫して他人の商標を駆け抜け出願する行為を有するか、②係争商標の出願人が大量の商標を出願登録して、明らかに使用の意図に欠るか、③係争商標の出願人と関連する企業または個人が悪意的な行為または不誠実な行為を有するかなどに関する証拠を提出する手段があります。
 例えば、勝手に中国商標の出願をした第三者が、日本企業と関連の有るものとの証明(例えば、中国でのサプライヤー企業であったなど)できるケース、中国での出願人が多くの同様な不正出願を繰り返している、などの証明です。
 また、日本企業が中国においてディーラーや代理店などを有する場合、中国のパートナーに係争商標の出願人を知っているか、取引関係があるかを問い合わせることも考えられます。このような方法では、より早く証拠を入手でき、審査官に認められる可能性も高くなります。

 しかしながら、この場合でも、証明するためには多くの書類を準備する必要があり、サプライヤーであることの専門の調査会社への依頼や証明書類の作成とその高額な費用、現地代理人に対する高額のオンライン調査費用などが発生する可能性があります。

(3)無効審判で無効にできず手段が他にないという最悪の場合には、中国の商標権を買い取るということも検討しなくてはいけません。
 しかしながら、この場合は足元を見られて金額を無限に引き上げられるなど、非常に大きなリスクを伴います。

(4)対応策として
 では、専門家として対応策はなにかと聞かれれば、将来、中国でのビジネス展開が少しでもあるかもしれない場合には、先手を打って直ぐにでも商標出願して権利化するのがベストというしかありません。
 上述のように、中国においては、第三者に勝手に登録された商標権を無効にするのは本当に困難ですが(費用も時間も膨大に要します)、先手を打って自社商標を中国で権利化しておけばその可能性を全て排除できるからです。
 中国ビジネスでは成功すれば大きな利益を得ることができる反面、このような中国独自の日本の常識とは異なる仕組みがあり、従って、海外ビジネスを展開している日本企業様は中国商標出願を軽視せず、早め早めに中国商標出願をすることをお勧めさせて頂きます(弊所では格安の中国商標出願サービスを提供しておりますので機会がございましたら是非ご活用下さい)。

 弊所は、日本特許・意匠・商標のみではなく、国際特許・意匠・商標出願を非常に得意としておりますので、そのようなお客様がおられたら是非遠慮なくお声かけ下さい。相談は無料です。お待ちしております。

 蓑和田国際特許事務所 蓑和田 登

2019年11月04日

米国へのIDSの提供時期に関して(実務者向け)

米国へのIDSの提供時期に関して(実務者向け)

 米国特許・意匠の出願人においては情報開示陳述書(通称IDS:Information Disclosure Statement)の義務が課されています。このIDSとは、端的にいうと出願人自らが知り得た先行技術は米国庁に通知する義務があるということです。なお、この開示義務を怠った場合には特許は認められず、また、不衡平行為(inequitable conduct)があったとして全てのクレームが権利行使不能となる可能性があります。

 このIDSの提出時期として一般的に行われているのは(a)米国特許出願日(国際出願の場合は国内段階移行日)から3ヶ月以内または最初の(RCEをした場合にはRCE後の最初の)実体的拒絶通知までのうち何れか遅い方までです。この場合、他の追加要件なしに無料でIDSを提出することができます。通常は出願時に同時にIDSを提出することが多いかと思います。

 そして今回追記しておきたいのは(b)US出願を先にしてその後PCT出願による国際調査報告(ISR)を受けた場合です。このような場合、国際調査報告を受けた日から3か月以内にIDSを提出することで提出時に発生する米国庁費用120USD(small entityのケース)を払わなくて済み、米国代理人費用(通常120ドル程度)+弊所費用(1万円+翻訳料)で提出することができます。
 以上実務者向けの情報でした。

 弊所は、日本特許・意匠・商標のみではなく、国際特許・意匠・商標出願を非常に得意としておりますので、そのようなお客様がおられたら是非遠慮なくお声かけ下さい。相談は無料です。お待ちしております。

 蓑和田国際特許事務所 蓑和田 登

2019年10月12日

ハーグ国際意匠出願の優先権証明書の提出の件(実務者向け)

ハーグ国際意匠出願の優先権証明書の提出の件(実務者向け)

 昨日ハーグ国際意匠出願に関してUS庁からfiling receiptが届きましたので、ハーグ意匠国際出願をした場合の優先権証明書の提出に関して記載しておきます。
 この点、実務者であっても非常に分かりにくい(非常に注意が必要な)制度となっているために、備忘録として残したく思い記載しました。

(1)日本意匠出願を基礎出願とした場合(いわゆる内外出願のケース)
 ハーグ国際出願においては、日本出願の出願日から6か月以内であればパリ条約に基づく優先権の主張をすることができます。すなわち、同じ内容の意匠をハーグ出願とするときに日本出願の番号を記載することで、ハーグ出願の各国での審査の基準日が日本出願の出願日となります。
 優先権主張は、日本出願の出願日後直ぐに意匠に係る商品を販売開始した場合などで、他の国での同じ意匠の権利が必要な場合などに有効です。
 ここで、注意が必要なのは、US、ロシア、韓国を指定した場合には、優先権証明書を各国庁に提出する義務が生じます。ただし、韓国の指定に関しては、ハーグ出願時の願書のAnnex2の欄に必要書類を添付することで優先権証明書を韓国庁に提出したこととなるのでハーグ出願時に対応することが一番良いです。
 特に、US指定した際には非常に注意が必要です。USへの優先権証明書の提出は、正確には2段階納付の2段階目の納付時までに提出しておく必要があります。すなわち、1段回目のハーグ意匠出願の出願時に現地代理人を介してUSPTOに提出しておくか、USでの審査が終了した設定登録後の登録料納付時までに優先権証明書をUSPTOに提出する必要があります。
 USでの審査では拒絶も有り得ますので、より好ましくはUSPTOからの一回目の審査結果が届き次第、ハーグ国際出願で優先権主張をしている場合には現地代理人を介して、優先権証明書を提出することが一番良い手法かと思います(但し、必ず現地代理人を介するために手数料が発生します)。

(2)外国意匠出願を基礎出願として日本を指定した国際意匠出願の場合(外内出願のケース)
 日本特許庁は意匠の国際出願に対して優先権証明書を要求しております。
 典型的には、外国事務所から日本を指定国に含んだハーグ出願の依頼を受けたような場合、外国から優先権証明書の現物を取り寄せて、国際公表日から3カ月以内に日本特許庁に提出する必要性がございます。この点は、外国代理人に徹底して指示する必要性があります。
 以上少々分けりにくい説明となりましたが、以上、ハーグ国際意匠出願の優先権証明書の提出に関する備忘録として残しておきます。

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 蓑和田国際特許事務所 蓑和田 登

2019年09月28日

本年度(平成31年度)の弊所の外国出願支援事業(都道府県)の申請結果

本年度(平成31年度)の弊所の外国出願支援事業(都道府県)の申請結果

 本年度も特許に関して2件、弊所から都道府県の外国出願支援の申請処理をさせて頂きました。その結果の通知を先月ぐらいに受けたのですが、2件とも受理され、めでたく外国出願に関しての半額支援を受けられることとなりました。
 そのうち1件の通知結果を以下に添付させていただきます。

 これで無事に外国出願の半額の支援金が出るのでクライアント様は非常に喜んでおられ、弊社もクライアント様に貢献できたと非常に嬉しく感じました。特に、1つの申請は5カ国以上に移行予定の案件でしたので、弊所も9月は本件の各国移行処理で非常に忙しくなる予定です。

 このような国や地方自治体などからの外国特許、外国商標、外国意匠などの支援事業(半額援助)を考えている企業様、クライアント様がおられましたら是非お声かけ下さい。弊所は毎年、この種の外国出願支援事業への申請を行い、ほぼ全てを通過させております。

 弊所は、日本特許・意匠・商標のみではなく、国際特許・意匠・商標出願を非常に得意としておりますので、そのようなお客様がおられたら是非遠慮なくお声かけ下さい。相談は無料です。お待ちしております。

 蓑和田国際特許事務所 蓑和田 登

2019年09月01日

お中元を頂きました!

お中元を頂きました!

 先週ですが弊所のクライアント様より本当に嬉しいお中元を頂きました。下記の写真のマンゴーです。

 ものすごく高級感が漂うマンゴーで多分1つ○○円はするのではないでしょうか。本当に美味しかったです。また弊所に頻繁にご依頼を頂くクライアント様からの贈り物ということで(仕事を回している知財部担当者に特許事務所からお中元が届く、というのは話が全く違いますから(笑))、それだけでおいしさ倍増!!!
 こうゆうときに本当に独立して良かった~と感じますね。クライアント様が弊所サービスに非常に満足している証拠ですから(と固く信じております)。

 本当にありがとうございました!!!

 蓑和田国際特許事務所 蓑和田 登

2019年08月04日

人工知能~ニューラルネットワーク系の特許出願

人工知能~ニューラルネットワーク系の特許出願

 先月ですが、人工知能分野の特許出願を担当させて頂きました。いわゆる、機械学習の畳み込みニューラルネットワーク(Convolutional Neural Netwark)の分野で、その中でも画像処理系の分野となります。

 以前、特許事務所に勤務していた時には多くの情報処理関連の明細書、MPEGなどの動画処理に関する特許明細書作成の経験はございましたが、今回の人工知能系の発明は非常に興味深い内容でした。
 特許的にはAI関連発明の出願件数は近年飛躍的に伸びてきているようです。日本の産業の発展のためにも、この分野は必須ですので、出願件数が今後も飛躍的に伸びてゆくものと推測されます。

 しかしながら、人工知能というのは圧倒的な処理スピードや正確性の違いは当然有りますが、何か人間や動物の持っている知能をコンピュータで実現しよう・できるだけ近づけようということですので、知れば知るほど人間の能力の高さに驚く、という印象を受けざるを得ません。ただ、非常に面白い分野ですのでまたAI系の特許出願のご依頼があればと思っております。

 ※弊所は、日本特許・意匠・商標のみではなく、国際特許・意匠・商標出願を非常に得意としておりますので、そのようなお客様がおられたら是非遠慮なくお声かけ下さい。相談は無料です。お待ちしております。

 蓑和田国際特許事務所 蓑和田 登

2019年07月20日

中国の商標法改正案が今年11月から施行

中国の商標法改正案が今年11月から施行

弊所の中国商標サービスは好評で多くのお客様にご利用頂いております。ありがとうございます。今回はその中国商標の改正に関して記載させて頂きます。

(1)中国商標では外国の著名商標が無断で登録されるなど多くの問題がありましたが、知財強化の観点から、2019年11月1日から改正案が施行されます。主な改正点は、(a)使用を目的としない悪意の出願について、拒絶理由、異議理由、無効理由とされる(b)悪意による商標権侵害による懲罰的損害賠償金の上限が3倍から5倍になる、などが重要です。

 具体的には、中国商標の重要な条文に、下線部が追加されます。
<中国商標法第4条第1項>
 自然人、法人又はその他の組織が、生産経営活動において、その商品又は役務について商標専用権を取得する必要がある場合には、商標局に商標登録を出願しなければならない。使用を目的としない悪意の出願は拒絶される。

<中国商標法第63条第1項>
 商標専用権侵害の損害賠償額は、権利者が侵害により受けた実際の損失により確定する。実際の損失を確定することが困難なときは、侵害者が侵害により得た利益により確定することができる。権利者の損失又は侵害者が得た利益を確定することが困難なときは、当該商標の使用許諾料の倍数を参照して合理的に確定する。悪意により商標専用権を侵害し、情状が重大なときは、上述の方法により確定した金額の1倍以上倍以下で賠償額を確定することができる。賠償額は、権利者が侵害行為を抑止するために支払った合理的な支出を含まなければならない。

 ただし、この改正がどの程度まで有効性があるのか、今後の状況を見る必要があると思われます。

 今後とも、知的財産権に関連した有益な情報を、ブログを介して随時記載していく予定です(更新頻度をもっと高くしないといけません)。

 ※弊所は、日本特許・意匠・商標のみではなく、国際特許・意匠・商標出願を非常に得意としておりますので、そのようなお客様がおられたら是非遠慮なくお声かけ下さい。相談は無料です。お待ちしております。

蓑和田国際特許事務所 蓑和田 登

2019年06月23日

First OAまで3ヵ月!~米国特許におけるPPH(早期審査請求)の結果

First OAまで3ヵ月!~米国特許におけるPPH(早期審査請求)の結果

 少々遅くなりましたが、以前にしたUS特許出願の日本特許査定に基づくPPH(早期審査請求)に基づく1st OA(第一回目の審査結果)が届くまでの日程感に関して記載されせいただきます。

 本件は未だ審査継続中なので詳細な番号などは記載できないのですが、日程は記載できるので記載いたします。
 PPH request (日本登録に基づく早期審査請求): 2018.11.14
 PPH granting (PPHの認定):2019.1.31
 1st OA (第一回目の審査結果受信):2019.2.13
 でした。
 すなわち、PPHの請求から3ヵ月で審査結果が届きましたので非常に驚きでした。
 通常、US特許の場合、早期審査をかけない場合には出願日から約1年半後に審査結果が届きます。これは正直遅く感じており、発明内容を忘れたころに審査結果が届く、という感じですが、PPH請求をすることで、非常にスピーディにUSの特許権利化に持ち込むことができることが分かります。

 以上より、USでの権利化のための戦略として、特に中小企業様は日本で早期審査などで特許の権利化をして、その後にUSで早期審査請求をして権利化にする(その際には日本で特許査定を得ていることが非常に有利に働く場合がある)という手法がUSで権利を得るために一番手っ取り早い気がしております。

 ※弊所は、日本特許・意匠・商標のみではなく、国際特許・意匠・商標出願を非常に得意としておりますので、そのようなお客様がおられたら是非遠慮なくお声かけ下さい。相談は無料です。お待ちしております。

 蓑和田国際特許事務所 蓑和田 登

2019年05月17日

中国における部分意匠の取り扱いに関して(2019.3月時点)

中国における部分意匠の取り扱いに関して(2019.3月時点)

 最近は、多くの中国意匠出願のご依頼を受け(弊所サイトの中国意匠詳細はこちら)、その際に中国における部分意匠の取り扱いに関してのご質問がありましたので、備忘録として残しておこうと思います。下記は現地代理人に確認した内容ですので間違いはないと思われます。

 中国では現在、第4回特許法改正案が進行中(発効は未だ)であり、その中において中国意匠に関して重要な3つの改正点がございます。
 ①部分意匠に対する保護を明確化する。
 ②意匠の中国国内優先権制度を新設する。
 ③意匠の保護期間を延長する(10年から15年に延長)ことです。

 現時点の審査段階において、中国意匠法第2条第4項は以下のような改正が提案されています。
【意匠とは、製品の全体又は部分の形状、図案又はその結合及び色彩と形状、図案の結合に対して行われ、優れた外観を備え、かつ工業への応用に適した新たな設計を指す。改正のポイントは、「全体又は部分」の追加であり、これは、部分意匠が特許法の保護対象となることを示しています。】

 そして、上述した改正予定の中国意匠法第2条第4項に対して、現時点において中国特許局は、概ね以下の2点を明らかにしています。

 <一.部分意匠の保護対象>
 部分意匠は、例えば、ウォーターグラスのカップ口、電子レンジのつまみなどのような、製品のある部分に対する革新的なデザインです。「部分」は、「全体」に対しての概念であり、一般に「部分」とは全体の不可分な部分を指します。部分意匠の保護は全体に対する保護の拡張ですが、どのデザインのどの部分も部分意匠の保護対象とすることができるわけではありません。

 全体意匠保護対象の要件に加えて、特許法保護範囲に盛り込まれる「部分意匠」は、少なくとも以下の2つのケースを除外する必要があります。①デザインが一定の物理的スペースを占有することができない場合、「部分意匠」を構成することはできません。例えば、製品表面における閉じていない輪郭線など。②保護を求める「部分」は相対的に完全でない、又は独立できない場合、「部分意匠」を構成することはできません。

 さらに、部品は完全な製品からの分離可能な部品として、全体意匠の形、又は部分意匠の形で保護することができます。

 <二.部分意匠の出願書類に対する要求事項>
 ①登録願書には、出願は部分意匠であることを明記する。
 ②図面又は写真において、「点線と実線」又は「顕在化と不顕化」の形式で、保護対象となる部分意匠を明確に表示する。
 ③意匠に係る物品の説明において相応的に説明する。

 すなわち、端的にいうと、2019年3月の時点では未だ発効されていないが、中国では部分意匠は導入される予定で、且つ中国部分意匠の制度は日本の部分意匠の制度と極めて近似している、ということが言えると思います。
 
 ※弊所は、日本特許・意匠・商標のみではなく、国際特許・意匠・商標出願を非常に得意としておりますので、そのようなお客様がおられたら是非遠慮なくお声かけ下さい。相談は無料です。お待ちしております。

 蓑和田国際特許事務所 蓑和田 登

2019年03月29日

中小企業様・個人事業主様は必見!新たな特許の減免制度が4月より開始!

中小企業様・個人事業主様は必見!新たな特許の減免制度が4月より開始!

 忙しくてブログの更新を怠けておりましたがこれは是非というニュースがありましたので久々に更新させて頂きます。
 この4月1日から特許庁における特許出願(国内特許・PCT国際特許)の新たな減免制度が開始です!
 特に従業員が300名以下の中小企業様や個人事業主様、個人様は必見の減免制度となります。詳細は、下記の特許庁のサイトとなります。よろしければクリックをして内容をご確認下さい。

「審査請求料」、「特許料第1年分~第10年分」の減免申請の特許庁ホームページ
「国際出願に関する手数料」の軽減申請の特許庁ホームページ

 ・端的に申しますと、今回、大企業への特許料金を上げる一方で、中小企業・個人事業主・個人に対しては特許の権利化に要する料金を下げて、中小企業・個人事業主からの発明・特許出願を促して、ひいては日本の産業競争力に貢献する政策、ということかと思います。

 ・お金の話で恐縮ですが、従来であれば会社の規模に関係なく、特許庁への審査請求料は15~20万円を要していました。今回は中小企業・個人事業主・個人様にたいしてはこの料金が半額になりますので7.5~10万円で特許庁に審査請求ができるようになりました。
 また、特許の権利化後に特許庁に支払う特許料(年金)も中小企業・個人事業主・個人様に対しては半額(10年目まで)となりますので、こちらの恩恵も多大です。
 ですので端的に言えば、今までより10万円程度少ない料金で特許の権利化に持ち込むことができるかと思います。これは非常に大きいです!

 特に、弊所のクライアント様は大企業ではなく中小企業様、個人事業主様、個人様メインですので是非、特許出願をご検討であれば弊所へご相談ください。新減免制度と共に、いかにして特許権をとったら経済的か、に関してご説明させて頂きます。

 是非弊所へのご依頼の程お待ち申し上げます!

 ※弊所は、日本特許・意匠・商標のみではなく、国際特許・意匠・商標出願を非常に得意としておりますので、そのようなお客様がおられたら是非遠慮なくお声かけ下さい。相談は無料です。お待ちしております。

 蓑和田国際特許事務所 蓑和田 登

2019年03月09日

ドストエフスキー国際空港

ドストエフスキー国際空港

 師走の12月はもうあっという間に27日です。弊所も28日まで営業し、新年は7日から開始とさせて頂きます。本年度は多くのクライアント様に大変お世話になり誠にありがごとうございました。来年度も宜しくお願い致します。

 ところで、仕事で知り合ったロシアの知人より昨日連絡があり、なんとサンクトペテルブルクの空港の名称が、ドストエフスキー国際空港に変わることが3日前に決まったそうです。これは、日本では全くニュースにもなっておりませんでしたが、私にとっては非常に大きなニュースでした。というのも、ドストエフスキーは学生時代によく読んていた好きな作家だからです。サンクトペテルブルクはドストエフスキーの故郷であり、罪と罰の舞台でもあります。素晴らしい名称を選んだと思いました。いつの日か、ロシアのサンクトペテルブルクのドストエフスキー国際空港に行こうという夢ができました。

 また、本日に特許庁に特許出願と商標出願をしたのですが、特許の願番2018-240000番代で、商標の願番は2018-160000番代でしたので、2018年度の特許、商標の出願数自体は去年とほぼ同じという結果かと思います。

 来年度もまた日本及び海外で知財権の確保が必要なクライアント様に貢献できるよう、色々と新たなことに挑戦・ご提供していきたいと考えております。本年度はありがとうございました。

 ※弊所は、日本特許・意匠・商標のみではなく、国際特許・意匠・商標出願を非常に得意としておりますので、そのようなお客様がおられたら是非遠慮なくお声かけ下さい。相談は無料です。お待ちしております。

 蓑和田国際特許事務所 蓑和田 登

2018年12月27日

ヨーロッパにおける植物特許に関する重要な動き

ヨーロッパにおける植物特許に関する重要な動き

 添付の写真のように2週間前にヨーロッパにおける植物特許に新たな動きがございました(詳細は、https://www.no-patents-on-seeds.org/en/node/525 をご参照下さい)。

 12月5日に欧州特許庁の審判部(the boards of appeal)において、シンジェンタのコショウの植物に関して、たとえ、交配・選抜による従来手法の植物であっても特許性は認められる(いわゆるプロダクト・バイ・プロセスクレームは特許性がある)、という審決がなされました。
 これは、去年の6月に欧州議会での「本来的な手法により発明された植物には特許を認めない」という決定に対して真っ向から反対するものです。

 これで、欧州でも人為的な遺伝子操作ではなく、交配・選抜といった従来手法によって得られた植物であっても特許権が得られる可能性が再度出てきました。USや日本ではそもそも交配・選抜による植物特許(Utility patent)は認められているのですが、去年の欧州議会での決定により欧州はUS,日本とは異なる制度となっておりましたが、本審決によりその状況は再度混沌としてきました。

 個人的には、現在の品種登録制度では植物知財権が適切に・十分に保護されないため、やはり植物も特許制度でも適切に守る必要性があると考えております。

 弊所は、日本特許・意匠・商標のみではなく、国際特許・意匠・商標出願を非常に得意としておりますので、そのようなお客様がおられたら是非遠慮なくお声かけ下さい。相談は無料です。お待ちしております。

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2018年12月19日

中国における特許から実用新案への出願変更に関して

中国における特許から実用新案への出願変更に関して

 日本においては特許出願は、基本的には特許庁に係属中においては実用新案登録出願に変更することができます。これは、特に特許出願が拒絶査定された場合に、どうしても権利として残したい場合などにおいては非常に有効な手段です。

 それでは中国ではこのような制度は有るのでしょうか?
 というのも、中国においては、実用新案権は特許権と同じように強力な権利(この点、日本の実用新案権とは大きく異なる)で、審査も新規性しか見られないので、特許から実用新案の変更があれば非常に有効ではないか、と思い中国代理人に質問しましたところ返答がありました。

 回答としては、中国においても特許から実案への出願変更制度は有りますが、変更には下記の3条件が必要ということです。
 1.その特許出願が優先権を主張していないこと
 2.その特許出願が中国庁に係属中であること(権利化や拒絶査定確定後は無理)
 3.その実用新案出願は、特許出願の出願日から12か月以内に行う優先権主張出願の扱いとすること(すなわち特許出願は取下げられる)

 これらの1~3の条件をすべて満たせば特許から実案への変更は可能だそうです。まぁ、日本特許事務所からの中国出願は基本ほとんどが日本出願に基づく優先権を主張しているため、1をクリアできず、出願変更はできないということになろうかと思います、、、(厳しいなぁ)。

 弊所は、日本特許・意匠・商標のみではなく、国際特許・意匠・商標出願を非常に得意としておりますので、そのようなお客様がおられたら是非遠慮なくお声かけ下さい。相談は無料です。お待ちしております。

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2018年12月09日

中国での商標被害の実態、及び弁理士として啓蒙が必要な件

中国での商標被害の実態、及び弁理士として啓蒙が必要な件

(1)今月ですが、ある会社からご相談を受けました。
 その会社は化粧品の会社なのですが、製品・効能が優れており日本での化粧品販売の調子が良く、そのために中国で実際に販売の開始を予定していたところ、勝手に自分の商標権がどこのだれか分からない中国の会社に先に登録されていて困っているとのことでした。
 その商標自体は非常に特徴的なネーミングであり、たまたまネーミングと商品分野が同一だったとは考えられず、また、登録された中国商標の公報を見るとフォントも行間も同じで誰が見ても日本登録商標のコピー&ペーストでの出願という感じでした。
 また、怪しいのが、その会社は、中国での商標登録を、全く知らない中国特許事務所からの突然の連絡で知った、とのことでした。
 幸いというか、まだ公告日より三ヶ月が経過していないので商標の登録異議申し立てで対応することにしております。
 中国で商標権を他人が持っているということはその日本の会社は当然にその商標権を中国では化粧品に使えないということですのでその会社にとっては大打撃です。世界の各国に販売する際に、中国の商品だけを別の商標名にすることは現実的ではないからです。

 (2)また、中国では登録された商標取り消す・無効にするのは簡単なことではありません。
 中国商標法31条違反とするには、
・他の者の商標が係争商標の出願日以前にすでに中国で使用されており、且つ一定の影響力があるが、登録出願はしていない。
・係争商標の出願人に悪意があった。
 などを証明する必要があるからです。
 当然、これから販売予定の商品の商標の場合、日本で著名だからと言って中国では著名ではない場合がほとんどであり、特に、大企業ではなく中小企業の場合には無効にすることに対して非常に高いハードルが出てきます。
 また、中国での出願人の悪意なんていうもの簡単に証明できるものではありません。相手がとぼけてしまえばそれまでだからです。

(3)中国代理人に相談すると、そんなひどいことをするのか!、という反応は実際有りませんでした。そんな会社はたくさんある、彼らはそうゆうことを生きるためにビジネスでやっている、そんなに大切ならきちんと出願していない日本人が悪い、という反応です。そういわれればそうゆう主張もあるのかと思います。

(4)では対応策としてなにができるのか。
 専門家としては、中国で販売をするかもしれない、と少しでも可能性があるのであれば、先手を打って直ぐにでも商標出願して権利化しておくことをお勧めいたします。というのも、中国商標は日本のように登録時に高額な登録料を請求せず、基本的には官費としては出願時に1区分300元(6,000円程度)支払えば10年の権利が得られるからです。
 第三者に勝手に登録された商標権を取り消すのは本当に困難ですが(費用も時間も膨大に要します)、先手を打って自社商標を出願して権利化しておけばその可能性を全て排除できるからです。
 弊所では中国商標の出願~登録までをトータル6万円程度で提供させて頂いております。もちろん弊所もビジネスでやっておはおりますが、御社の中国での事業展開に多大に貢献できるビジネス提案であると考えております。
 当然、ラッキーにも全く真似をされないで中国商標の登録ができるケースも多々あるかと思います。しかしながら、日本で人気の出てきている商品を監視して、今か今かと商標出願を狙っている悪徳中国会社も実際にございます。なかには日本と中国の会社がグルになっている場合もあります。
 ですので、専門家としては、販売意思が少しでも出てきた際に中国商標出願を軽視せず、躊躇せずに出願をした方が良い、という以外にはないかと思います。

 弊所は、日本特許・意匠・商標のみではなく、国際特許・意匠・商標出願を非常に得意としておりますので、そのようなお客様がおられたら是非遠慮なくお声かけ下さい。相談は無料です。お待ちしております。

 蓑和田国際特許事務所 蓑和田 登


2018年11月25日

USでのバイパス一部継続出願(a bypass-continuation in part application)について

USでのバイパス一部継続出願(a bypass-continuation in part application)について

 弊所より9月に2件のUS特許出願を提出させて頂きました。そのうちの1件でいわゆるバイパス一部継続出願(a bypass-continuation in part application)を行いました。このことについて備忘録として記載しておこうと思います。

 通常であれば、日本特許庁に行ったPCT国際出願は出願日(優先日)から30か月以内に、そのままの内容にて米国への国内移行手続をすればよいのでバイパス継続出願をする必要性がありません。

 しかしながら、日本特許庁にPCT出願したはいいが、時間がたって、いざ実際のUS国内移行時に改良発明や改良した内容(いわゆる新規事項)を追加したいようなケースはどうでしょか。このような話は往々にして乗じてくる話かと思います。
 この場合、勝手に新規事項を追加して米国への国内移行処理は行えません。
 この際に用いることができるのがバイパス一部継続出願となります。すなわち、バイパス一部継続出願とは、新規事項を追加したPCT国際出願を米国に国内段階に移行させる際に行う出願となります。このバイパス一部継続出願では、新規事項を反映した状態で出願を行うことが可能です。

 さらに、ここで注意が必要ですが、PCT出願は出願日(優先日)から18か月で出願内容が国際公開されます。従って、PCT出願の各国移行期限は通常は優先日から30か月以内ですが、バイパス一部継続出願で新規事項を追加する場合、自らの出願の公開内容をもってして追加した内容が進歩性違反などと判断されてしまう恐れがあることです。
 すなわち、自らのPCT出願がUS一部継続出願の引例となることが避ける必要性があります。従いまして、より好ましくは、PCT国際出願の優先日から30か月ではなく18か月以内に米国への国内移行処理(バイパス一部継続出願)を行うことが非常に好ましいです。この点、留意が必要です。

 弊所は、日本特許・意匠・商標のみではなく、国際特許・意匠・商標出願を非常に得意としておりますので、そのようなお客様がおられたら是非遠慮なくお声かけ下さい。相談は無料です。お待ちしております。

 蓑和田国際特許事務所 蓑和田 登

2018年09月30日

植物細胞の国際寄託の手続き

植物細胞の国際寄託の手続き

 先週、植物細胞の特許生物寄託センター(IPOD)への国際寄託を行いましたのでその点を記載しておきます。

 弊所は植物特許・国際寄託を扱っている日本でも少数の特許事務所ですが、先週、複数の発明案件の植物細胞の国際寄託を行いました。

 寄託手順としましては、最初に申請書類を提出します。具体的には、最初に、①国際寄託申請書(原寄託申請書)、②国際寄託承諾書、③寄託委任状(代理人を立てる場合)を準備して寄託センターに提出します。①国際寄託申請書には、植物細胞の情報や培養条件を詳細に記載する必要があります。というのも、寄託センターは30年間もの長期間に亘ってその植物細胞を維持管理する必要性があるからです。

 次に、植物細胞の場合には固体培養(カルス培養等)を試験管5本以上、種子の場合には25粒×100パック(2,500粒以上)を提出します。基本的には、この提出時点で受領番号(正式な寄託番号ではない)が発行され、この受領番号をもって日本特許出願を行うことは可能となります。

 その後、寄託センターの方で生存確認試験が行われ、植物細胞の場合には発根が確認されることが必要となり、種子の場合には発芽率が85%以上が確認されれば、料金(約20万円)を寄託センターに納金し、正式な受託番号が発行されます。US出願の場合にはこの受託番号が必要となります。受託番号の発行までは寄託手続き後、通常1か月程度が必要となるので出願を急いでいる場合には早期に手続きを行うことが必要です。

 この料金20万円を高いとみるか低いとみるかですが、分譲申請があったときには分譲を行うために管理する必要があり、そのために国際寄託センターで30年間も管理される訳ですから非常に安い、とみることができます。

 弊所は、植物特許のできる日本で数少ない弁理士です。そのようなお客様がおられたら是非遠慮なくお声かけ下さい。相談は無料です。お待ちしております。

 蓑和田国際特許事務所 蓑和田 登

2018年09月11日

最高に嬉しい贈り物

コラム

 久々にブログを書かせて頂きます。というのも月曜日に最高に嬉しい贈り物をお客様から頂いたからです。


 今週、弊所が特許出願を担当したお客様より洋梨の贈り物がありました。写真のものですが、この洋梨のおいしさといったら半端がない美味しさです。元々その特許出願の発明者様は果物屋さんで、この洋梨は長野県の旧知の農家から仕入れているものだそうです。
 洋梨本来のおいしさに、弊所の感謝の気持ちも加わって異常なぐらいおいしいです。噛むとすぐジュースのように口の中で溶ける感じです。でもすごく風味があっておいしいです。毎日必死に食べています。洋梨がこんなに美味しいとは初めて知りました。以前より果物の王様はマンゴだと思っていましたが、もはやそれを凌駕する感じです。ただ、この洋梨はそこら辺で売っていて買えるようなものではないと思います。本当に特別な味がします。

 またその他の弊所お客様からの贈り物も8月には頂きました。
 仕事をして報酬を頂いて且つお客様に感謝される、これは何事にも代えがたい嬉しさであるとこの齢になってやっと理解することができました。少し遅いかもしれません。
 でも、これも3年前に独立したからこそ味わえた嬉しさであると思います。

 今回は特許とは関連性がない話となりました。弊所は、国際特許、国際意匠、国際商標出願を非常に得意としておりますので、そのようなお客様がおられたら是非遠慮なくお声かけ下さい。相談は無料です。お待ちしております。

 蓑和田国際特許事務所 蓑和田 登

2018年09月05日

PCT出願の交付金制度の復活など

PCT出願の交付金制度の復活など

 最近は非常に忙しくさせて頂いておりましてブログの更新にまで手が回りませんでしたが、今日はなんとか更新できそうです。事務所を経営していくと色々と初めてのことがあり本当に楽しいです。また、日々、知財関連で良い情報があれば更新したいと考えております。

 この7月9日に、中小ベンチャー企業、小規模企業、個人事業主などを対象とした特許料等の軽減措置が再開されました。この業界では近々に再開すると囁かれていましたが、7月9日から再開しました。この減免措置は今年の3月でいったん終了したのですが、7月に復活しました。4月から6月においてPCT出願した人で減免要件を満たすような人は本当にアンラッキーでした。
 特に、PCT出願などでは、特許庁費用(15~20万円)の2/3が返還対象額であるために非常に大きいです。詳細はこちらの特許庁HPなどをご参照下さい。

 弊所でも実は、近々にPCT出願があり、お客様には特許庁費用は20万円は要します、と伝えていたので、それが突然2/3返金されます、と伝えることができてすごくタイムリーでした。

 あと、今日は最近気に入っている曲の歌詞を添付します。
 The Sound of Silence【訳詞付】- Simon & Garfunkelです。いい曲ですので一度聞いてきてはいかがでしょうか。

Hello darkness, my old friend
I've come to talk with you again
Because a vision softly creeping
Left its seeds while I was sleeping
And the vision that was planted in my brain
Still remains
Within the sound of silence

[Verse 2]
In restless dreams I walked alone
Narrow streets of cobblestone
'Neath the halo of a street lamp
I turned my collar to the cold and damp
When my eyes were stabbed by
The flash of a neon light
That split the night
And touched the sound of silence

[Verse 3]
And in the naked light I saw
Ten thousand people, maybe more
People talking without speaking
People hearing without listening
People writing songs that voices never share
And no one dared
Disturb the sound of silence

[Verse 4]
"Fools", said I, "You do not know
Silence like a cancer grows
Hear my words that I might teach you
Take my arms that I might reach you"
But my words, like silent raindrops fell
And echoed in the wells of silence

[Verse 5]
And the people bowed and prayed
To the neon god they made
And the sign flashed out its warning
In the words that it was forming
And the sign said:
"The words of the prophets are
Written on the subway walls
And tenement halls
And whispered in the sound of silence."

 弊所は、国際特許、国際意匠、国際商標出願を非常に得意としておりますので、そのようなお客様がおられたら是非遠慮なくお声かけ下さい。相談は無料です。

 蓑和田国際特許事務所 蓑和田 登

2018年07月22日

中国意匠出願の制度及び弊所費用に関して

中国意匠出願の制度及び弊所費用に関して

 今月は数件、弊所に対して中国への意匠出願のご依頼がありました。そこでですが、この機会に中国への意匠出願(主に日本制度との違いと費用)に関して記載しておきます。中国は皆様ご存知のように模倣品が溢れており、このような模倣品対策として中国で意匠権を取得しておくことは中国ビジネスを展開するうえで非常に重要な戦略となります。

(1)最初に、中国における意匠制度と日本の意匠制度との差異点を記載します。
・中国はハーグ協定に加入していません。従って、中国での意匠権が必要な場合には必ず現地代理人を介して中国庁に意匠出願をする必要性があります。要するに、現地代理人費用は必ず発生します。
・中国で意匠出願は実体審査がなく無審査で通ります。中国意匠の有効性の判断は評価書制度に基づいており、権利者のみが意匠権の有効性の判断を中国庁に請求できます。ここは実体審査を行う日本特許庁とのかなり大きな差異点かと思います。
・日本の部分意匠・秘密意匠に対応する制度は中国意匠制度にはございません。また、権利期間は10年(日本は20年)で日本の半分です。
・中国では、図面と少し違うだけでも権利侵害とならないケースがあり、その場合には類似意匠制度を利用することが有効です。様々な類似したバリエーションのデザインであれば、10個まで類似意匠として1つの出願に入れることができます(一方、日本は一意匠一出願制度です)。但し、その場合には図面が多くなると共に、代理人費用が増加します。

(2)中国意匠出願の費用に関して
 ここは非常に気になる点かと思いますが、弊所は非常にリーズナブルな価格で、高品質のサービスを提供して頂ける非常に良い中国特許事務所と提携しております(弊所の中国意匠サービスの詳細はこちらをご参照下さい)中国での意匠権が必要なお客様は是非弊所サービスをご活用頂ければと思います。
 中国における費用サンプル(一意匠の場合)は以下となります。
<一意匠の場合>
 現地代理人費用約4万円(官費500元含み)です。
 これに弊所基本費手数料(4.5万円、海外送金5千円)を合わせると、出願時に要する費用は一意匠の場合には、約9.5万円程度となります(図面数に応じて多少変動)。このように、弊所では約9.5万円(現地代理人費用込み)での中国意匠出願サービスを提供しております。
 また、類似意匠制度を利用して、類似したデザインを同時に提出する場合には、約1万円ずつ費用が増回します。

(3)中国意匠の登録時の費用
 設定登録がなされた場合の費用としては、意匠証書の交付、年金納付(官費約1万円/年)、意匠証書のご郵送を含んだ現地代理人費用は15,000円程度となり、弊所手数料は5千円です。
 ですので、一意匠の場合、中国意匠権を取得するための出願~登録までの総費用は約12万円になります。このように、他と比較して非常にリーズナブルな値段で中国意匠権を取得できます。

 中国ビジネスを展開し、且つデザインの模倣を防止したい、とお考えのお客様は中国意匠の取得は非常に重要な戦略の一つとなります。貴所がそのようなお客様の中国でのビジネス展開に意匠権取得の面から貢献出来たら非常に嬉しく思います。

 弊所は、国際特許、国際意匠、国際商標出願を非常に得意としておりますので、そのようなお客様がおられたら是非遠慮なくお声かけ下さい。相談は無料です。  

 蓑和田国際特許事務所 蓑和田 登

2018年06月23日

欧州商標出願のまとめ

欧州商標出願のまとめ

 前回のブログ「米国商標出願のまとめ」が人気があったので、今回は調子に乗って欧州商標出願のまとめも書きます。但し、前回のは米国代理人に色々質問して明確化した点もあるのですが、今回のは書類資料の範囲内で、いわゆる弁理士会の資料のまとめのようなものです。その点、あまり目新しい点はないかもしれませんが、健忘禄のためにも記載しようと思います。

(1)日本とは異なる二重構造
 欧州での商標権は、各国商標制度と、欧州連合商標制度の二重構造となっています。
 例えば、フランスで商標を欲しい場合には、フランスに直接出願できると共に、欧州連合商標EUTM(European Union Trademark)で取得することもできます。
 欧州連合商標EUTMは、当然欧州全域における商標権であり、スペインの欧州連合知的財産庁(EUIPO:European Union Intellectual Property Office)で審査されます。
 
(2)審査に関して
 欧州連合商標EUTMを選択した場合には、EUIPOの審査官が審査して、①絶対的拒絶理由と言われる基礎的要件のような審査(例えば、商標が公序良俗に違反しないか、識別機能を発揮できるかなど)が行われ、次に②相対的拒絶理由といって、先行商標との同一類似が審査されます。
 ここで、日本特許庁と異なり特徴的なのは、たとえ同一類似の先行商標を発見したとしてもそのことを理由として欧州連合商標出願を却下しません(登録はされる)。先行同一類似商標が発見された場合には、出願人と商標権者に通知して、商標権者からEUTMに対して異議申し立てがなされた場合にのみEUIPOが登録した欧州連合商標の維持の可否に関して審査を行うというシステムになっています。
 ですので、異議申立てするかしないかは商標権者次第で、日本特許庁のように一から十まで先行商標との確認を行って拒絶するというようなことはないです。

 一方、欧州連合商標EUTMではなく各国商標直接出願を選択した場合には、各国での審査制度が適用されます。審査制度といっても、日本特許庁のように、各国庁が先行同一類似商標の調査をして拒絶理由などを通知してくれるのではなく、多くの国(フランス、ドイツ、イギリス、イタリアなど)では審査は基本行いません。
 どうゆうシステムかというと、方式審査や基礎的要件という絶対的拒絶理由がない場合には、異議申し立てのために出願商標が公開されます。この出願公告から2か月の間に類似関係にあると考えた“一定の関係を有する者(例えば商標権者)”が異議申し立てを行うことができます。
 そして、この異議申し立てがあった場合においては、出願人は答弁書を提出できると共に、各国庁は、異議申立書及び答弁書の内容に基づいて審査を行い、出願商標の登録可否が審査される、という流れです。やはりここら辺は個人主義を重んじるという欧州文化が反映されている気がします。

 (3)欧州連合商標EUTMの利点と欠点
 よく言われるのは、欧州連合商標EUTMの審査は欧州全域の商標が対象になるために、例えば、ラトビアとか販売市場と全く関連性のない先行商標をもってして異議対象となってしまう点です。
 また、上述したように、欧州連合商標EUTMを取得するには、欧州での先行調査が重要になります。EUIPOにおける登録可能性(第三者から異議を受ける虞がないか)、第三者の商標権を侵害することはないか、などを出願前に現地専門家に調査してもらうことが大切ではないでしょか。
 当然、特徴的なロゴマークを作成したなど、商標の独自性に自信がある場合には必要ではないかもしれませんが、基本は、現地専門家の先行調査はしてもらった方が良いと思います。

 弊所は、国際特許、国際商標出願を非常に得意としておりますので、そのようなお客様がおられたら是非遠慮なくお声かけ下さい。相談は無料です。

 蓑和田国際特許事務所 蓑和田 登

2018年06月03日

米国商標出願のまとめ

米国商標出願のまとめ

 米国商標出願制度は使用主義を採用しているため、登録主義を最小している日本や中国等とは大きく異なる出願制度でかなり複雑です。そのため、米国商標出願制度のまとめをしておこうと思います。主に下記の4つです。

①filing an application based on use in commerce under 15 USC §1051(a)
 これは実際の使用に基づく出願であり、米国で出願時既に商標を使用している場合です。出願時に、商標の最初の使用開示を申告して、使用証拠(販売に係る製品包装、カタログや米国法人のホームページのコピーなど)を提出する必要があります。この場合、米国庁費用($275)、米国代理人費用、弊所費用を含めてトータルで$1,500程度で権利化が可能です。

②filing an application based on an intend to use the mark in commerce under 15 USC §1051(b), §1126(d), and/or §1126(e)
 これは使用の意思に基づく出願であり、米国で出願時既に商標を使用していないが、登録査定(出願日から平均9カ月)を得てから半年以内に実際に米国で商標を使用する意思がある、という場合です。この半年以内というのは6回延長請求が可能で、3年まで延長することができます。
 この際には、登録査定後、基本半年以内に前述のような使用証拠を提出する必要があり、その際に、別途の米国庁費用$100、現地代理人費用なとが追加で発生します。この場合、米国庁費用($375)、米国代理人費用、弊所費用を含めてトータルで$2,000程度で権利化が可能です。費用的には、このケースが一番高いです。

③filing an application based on a Japanese registration
 仮に、出願人様が既に日本で商標登録を有している場合には、アメリカでの使用の有無に関係がなく、本国登録に基づく出願をすることができます。但し、日本登録と全く同じ商標、日本登録に含まれる商品/サービスにする必要性があります。また、この場合、日本の登録証のコピーや翻訳が必要となります。
 この場合、米国庁費用($275)、米国代理人費用、弊所費用を含めてトータルで$1,500程度で権利化が可能です。

④filing an application based on a Japanese trademark application
 仮に、出願人様が既に日本で商標出願をしている場合で、且つ出願日から6か月以内であれば、アメリカでの使用の有無に関係がなく、本国出願に基づく出願をすることができます。なお、この場合にはパリ優先権主張をする必要がありために、トータル費用は$1,800程度となります。

 その他、米国では指定商品に関して被服のような大区分は認められず(日本では認められる)、被服の何なのかを詳細に請求する必要があったり、登録から5-6年目において実際に使用していることを証明する必要性があるなど、日本商標制度に全くないものが多数存在しています。
 従いまして、米国商標が必要なお客様は、現地代理人と正確かつスピーディにやり取りができる日本代理人に依頼することが非常に大切となります。弊所代理人はそのような経験・能力を充分に備えています。

 弊所は、国際特許、国際商標出願を非常に得意としておりますので、そのようなお客様がおられたら是非遠慮なくお声かけ下さい。相談は無料です。

 蓑和田国際特許事務所 蓑和田 登

2018年05月20日

米国特許の早期権利化のための4つのプログラムに関して

米国特許の早期権利化のための4つのプログラムに関して

 日本特許庁は、中小企業や個人の特許出願、実施関連出願、外国関連出願に対して早期審査請求制度があり、運が良ければ出願日から3か月程度で特許権を得ることも可能です。今回は、そのような早期権利化のための優遇制度の米国特許庁における制度に関して説明します。

 端的に言うと、米国庁には、日本の早期審査請求制度に相当するものは有りません。

 また、米国審査は通常、1回目のOffice Actionが来るまで出願日から平均1年6か月かかり、それから拒絶理由の反論などしていくと、権利化までには2~4年かかることも稀ではありません。
 そんな中で、お客様の中にはどうしても早く米国で特許登録を得て、商品に登録番号を付したい(余計な権利侵害を受けることを防止したい)というお客様も多くおられます。そのような状況下で、早期に米国で権利化を図るにはどうしたら良いのか非常に悩ましいところではありますが、手段としては以下の4つがあります。
 (1) Patent Prosecution Highway
 (2) Track One Prioritized Examination
 (3) Accelerated Examination
 (4) First Action Interviewです。

(1) Patent Prosecution Highway
 これは、広く知られていますが、いわゆるPPHと呼ばれているものであります。日本特許庁で登録査定を得た特許は、PPHを用いると、アメリカでも早期に権利化を図ることが可能です。PPHを申請することで、米国特許庁から半年程度で審査結果が届き、上手くゆけば米国での出願日から半年~1年で権利を得ることができます。
 日本特許庁は、実施関連出願、外国関連出願、中小企業、個人、大学、公的研究機関等の出願であれば早期審査を受けておりますので、どうしても米国で早期権利化が必要な場合には、まず最初に日本で早期審査を受けて権利化を図る⇒米国移行時にPPHを請求、というのがベストな手段かと思われます。

(2) Track One Prioritized Examination
(3) Accelerated Examination
 これは、米国庁に多大な費用(申請費用$4,800(小企業$2,400))を支払うことで、1年以内に審査結果を受けられる優先的な制度です。先行技術調査の実施、IDSの提出なども必要となる場合があり、あまり現実的ではないです。
 また、この申請は米国出願と同時に行わなくてはいけませんので、よほどのことがない限り申請されることはないと思います(私もこの経験は有りません)。

(4) First Action Interview
 これは厳密には加速審査ではありませんが、より早期に権利を得られる可能性があるプログラムです。米国庁の審査官が先行技術調査をした段階で、完全な形式のOffice Actionを受ける前に、審査官が出願人とインタビューをしてくれて、その際にお互いが同意に達すれば許可査定をしてもらえるというものです。一方、同意に達しなければ通常のOffice Actionがなされるというものです。
 最初の段階で、審査官と議論ができる、という点が非常に有効であり、その他の点は他の出願の過程とほとんど変わりがありません。
 また、このための米国庁費用は無料というのは魅力的で、申請は、OAが出る前に行う必要があります。但し、この場合に注意が必要なのは米国代理人費用であり、インタビューをするだけで、準備に時間を要する場合には20~30万円の費用を請求されることがあります。

 やはり、現実的な手段としては、(1) Patent Prosecution Highwayが一番有効で、(4) First Action Interviewも試す価値があると思います。
 以上うまく説明できているかは分かりませんが、米国における特許の早期権利化の手段となります。

 弊所は、国際特許、国際商標出願を非常に得意としておりますので、そのようなお客様がおられたら是非遠慮なくお声かけ下さい。相談は無料です。

 蓑和田国際特許事務所 蓑和田 登

2018年05月06日

中国特許の許可通知

中国特許の許可通知

 今週ですが、弊所に中国事務所より、上記のような特許の許可査定が出た旨の通知が来ました。この中国特許はお客様にとって非常に重要であり、元々優れた製品なのですが、もう生産・販売を中国・日本で開始しており、アメリカにも上陸予定の物でした。ですので、中国での特許の許可通知が出たと連絡したときには非常に喜んで頂きました。

 この中国特許、1回目の拒絶理由通知が来て、現地代理人案も多少は参考にしましたが、むしろ、弊所とお客様で検討した反論案を作成して、非常に練りに練った意見書を弊所が作成して、それをそのまま翻訳して中国特許庁に提出した形でした。補正書を提出せずに意見書だけで反論して、それが、多分功を奏したのだと考えております(あのまま現地代理人案のままで提出したら、また拒絶理由が来たかもしれません)。

 弊所の弁理士は多数の中国特許の経験がございますが、全て特許査定を得ており、今まで中国特許での拒絶査定を受けたことがございません。中国審査官の意見にどうしたらうまく反論して覆すことができるかに関しては自信・経験がございます。

 何か最近は中国関連の記事が多いですが、そこはそのようなグローバルビジネスの流れということでしょうか。

 弊所は、中国での特許や商標、意匠の国際出願をも得意としておりますので、そのようなお客様がおられたら是非遠慮なくお声かけ下さい。相談は無料です。

 蓑和田国際特許事務所 蓑和田 登

2018年04月21日
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