中国意匠出願の制度及び弊所費用に関して
今月は数件、弊所に対して中国への意匠出願のご依頼がありました。そこでですが、この機会に中国への意匠出願(主に日本制度との違いと費用)に関して記載しておきます。中国は皆様ご存知のように模倣品が溢れており、このような模倣品対策として中国で意匠権を取得しておくことは中国ビジネスを展開するうえで非常に重要な戦略となります。
(1)最初に、中国における意匠制度と日本の意匠制度との差異点を記載します。
・中国はハーグ協定に加入していません。従って、中国での意匠権が必要な場合には必ず現地代理人を介して中国庁に意匠出願をする必要性があります。要するに、現地代理人費用は必ず発生します。
・中国で意匠出願は実体審査がなく無審査で通ります。中国意匠の有効性の判断は評価書制度に基づいており、権利者のみが意匠権の有効性の判断を中国庁に請求できます。ここは実体審査を行う日本特許庁とのかなり大きな差異点かと思います。
・日本の部分意匠・秘密意匠に対応する制度は中国意匠制度にはございません。また、権利期間は10年(日本は20年)で日本の半分です。
・中国では、図面と少し違うだけでも権利侵害とならないケースがあり、その場合には類似意匠制度を利用することが有効です。様々な類似したバリエーションのデザインであれば、10個まで類似意匠として1つの出願に入れることができます(一方、日本は一意匠一出願制度です)。但し、その場合には図面が多くなると共に、代理人費用が増加します。
(2)中国意匠出願の費用に関して
ここは非常に気になる点かと思いますが、弊所は非常にリーズナブルな価格で、高品質のサービスを提供して頂ける非常に良い中国特許事務所と提携しております(弊所の中国意匠サービスの詳細はこちらをご参照下さい)。中国での意匠権が必要なお客様は是非弊所サービスをご活用頂ければと思います。
中国における費用サンプル(一意匠の場合)は以下となります。
<一意匠の場合>
現地代理人費用約4万円(官費500元含み)です。
これに弊所基本費手数料(4.5万円、海外送金5千円)を合わせると、出願時に要する費用は一意匠の場合には、約9.5万円程度となります(図面数に応じて多少変動)。このように、弊所では約9.5万円(現地代理人費用込み)での中国意匠出願サービスを提供しております。
また、類似意匠制度を利用して、類似したデザインを同時に提出する場合には、約1万円ずつ費用が増回します。
(3)中国意匠の登録時の費用
設定登録がなされた場合の費用としては、意匠証書の交付、年金納付(官費約1万円/年)、意匠証書のご郵送を含んだ現地代理人費用は15,000円程度となり、弊所手数料は5千円です。
ですので、一意匠の場合、中国意匠権を取得するための出願~登録までの総費用は約12万円になります。このように、他と比較して非常にリーズナブルな値段で中国意匠権を取得できます。
中国ビジネスを展開し、且つデザインの模倣を防止したい、とお考えのお客様は中国意匠の取得は非常に重要な戦略の一つとなります。貴所がそのようなお客様の中国でのビジネス展開に意匠権取得の面から貢献出来たら非常に嬉しく思います。
弊所は、国際特許、国際意匠、国際商標出願を非常に得意としておりますので、そのようなお客様がおられたら是非遠慮なくお声かけ下さい。相談は無料です。
蓑和田国際特許事務所 蓑和田 登