植物特許に関して

 日本特許庁は、植物の発明に関して、同一の育種手段を繰り返せば確実に同一結果を再現できる反復可能性及び発明対象の植物が親植物と特性などで相違する創作性があれば発明の成立を認め、特許可能としています。

 弊所の弁理士は、特に植物自体の発明、植物の部分(果実など)に関する発明、植物の作出方法の発明、植物の利用に関する発明などの出願経験がある日本では数が少ない弁理士です。植物自体の発明に関しては、明細書の記載要綱が審査基準で決められており、明確に記載されていること、作ることができること、使用できること、などを植物を具体的に記載する必要があります。以下に弊所の弁理士が作成した植物特許の明細書を例示します。

 また、特に、植物の発明においては、発明に係る植物を当業者が作出できるように明細書に記載することができない場合(すなわち記載不備要件となる場合)には、特許法施工規則第27条の2の規定に従って、特許生物寄託センターにその植物(種子や細胞など)を出願前に寄託して、受託番号を記載する必要がございます。弊所の弁理士は、植物の寄託の経験も有しております(弊所の国際/国内寄託申請手数料は2万円です)。従いまして、お客様の植物発明が最も有効な制度で保護できるようにご提案させて頂くことが可能です。相談は無料です。お気軽にご相談ください。

 

品種登録に関して(国内及び海外)

 弁理士は知的財産権に関する専門家であり、この知的財産権には植物の新品種、及び育成者権が含まれていることから弁理士は種苗法に基づく品種登録関連業務にも積極的に関与してゆくことが望まれています。

 種苗登録出願においては新品種の名称を決定する必要性がありますが、品種名称は、その品種の種苗と同一又は類似の商品・役務に係る登録商標と同一又は類似であるときには品種登録を受けることができません(種苗法第4条)。このように種苗登録においては商標法の知識が関連してきます。

 また、個人ブリーダーなど種苗の育成者は、種苗の販売、普及を目指すのであれば植物自体に対しては特許法や種苗法、種苗や収穫物のブランド化を目指すのであれば商標法、製品パッケージに関しては意匠法などの保護を必要とします。従いまして、種苗法の品種登録の知識を持つ弁理士が本来業務(特許、商標、意匠などの業務)の経験を加えて総合的に判断して、育成者が適切な保護を得るためのアドバイスをする能力が求められます。

 弊所の弁理士は、種苗法に基づく品種登録関連業務も遂行可能です(品種登録の出願から登録までの手順に関してはこちらをご参照下さい)。また、国内のみならず、英語が堪能であるために海外での品種登録出願に関してもご協力させて頂きます。

 弊所における国内の種苗登録に要する費用は以下となります。

  • 種苗登録手数料 7万円+税
  • 出願料(官費) 47200円
  • 登録料納付手数料 9,000円+税

 相談は無料です。是非お気軽にご相談ください。

赤のビデンスの発明に関して

 花の業界で有名なutility patentとしては、従来の花弁数5枚に対して10枚のダブルの花弁数を有するカリブラコア(このUS特許に関してはこちらをご参照下さい)、花弁が星の模様になるカリブラコア(このUS特許に関してはこちらをご参照下さい)、シンジェンタの腐りにくいトマト、黒色のペチュニアなど多数あります。また、自然界では起こり得ない遺伝子組み換えを行って作成された植物特許としては、例えばビオラの色素を組み込んだ青いバラ、除草成分グリフォサート抵抗性大豆など多数ございます。

 また、日本人の植物(花)の特許発明で世界的に特に有名なものはサントリーの坂崎様のサフィニア(ペチュニアの一種)があります。このサフィニアは一時期、年間1.2億ポットも売り上げ、今でも世界中で非常に人気のある花です。

 そして、上記のUS特許出願1や写真に示すように、私は幸運にもそのサフィニアに次ぐ日本人の世紀の発明と言われている赤のビデンス(従来のビデンスは黄色であり、赤のビデンスはこの世の中に存在していなかった)の西川公一郎氏の発明に携わる機会を得ることができました。このことは私にとって非常に貴重な経験となっております。

アメリカでの植物特許に関して

 アメリカでは、植物に対してはplant patent(USのplant patentの一例はこちらを参照下さい)、又はutility patent で特許による保護を図ることができます。このうちのplant patentでは品種ごとに出願する必要性があり、似たような品種を競合他社が作成して販売してもこれを抑えることができません。そして、近年のコピー技術の向上によりそっくりの品種が非常に速いスピードで作成されるようになりました。

 そこで、アメリカでは、品種ごとにではなく、植物の特徴に権利を認めるutility patentで育成者の権利をカバーすることが行われています。アメリカにおいては植物のutility patent制度は確立されており、今後は、アメリカや日本において特別な特徴を有する植物を保護するためにはutility patentが有効となります。

 弊所の弁理士は、多数のアメリカでの植物のutility patent出願経験がございます。相談は無料です。是非一度植物特許に対応可能な弊所までお気軽にお問合せ下さい。

日本での植物特許登録

 この度(2018.1月)弊所が担当した植物に関する発明が、日本特許庁によって許可査定がなされ、特許権となりました。植物(花)の特許権取得は、弊所のクライアント様の日本でのビジネス展開を非常に助けることができるものとして、弊所としても非常に嬉しく感じました。

 弊所は、植物特許、植物の国内・国際寄託、種苗登録に関して知識、実際の出願・権利化経験を有する日本でも数か少ない弁理士事務所です。植物に関する何らかの権利を希望するお客様がおられましたら、是非ご遠慮なくご相談ください!

 弊所担当の植物特許第 号(特許公報公開後にリンクさせて頂きます)

中国での植物特許及び品種登録に関して

 中国では、植物自体に関しての特許は日本やアメリカのようには認められていません。どちらかというとヨーロッパ寄りの基準です。但し、動物と植物の品種の生産方法に対して、所定の進歩性などの基準を備えることで特許を受けることができます。
 但し、植物自体の権利に関しては、やはり『植物品種権の保護条例』(日本の種苗法のようなもの)で保護され得ます。以下、中国における植物の権利に関して記載します。興味のある方はご参照ください。
 弊所は、植物の権利化を行うことができる中国特許事務所と提携しております。中国における植物の権利(種苗法)が必要なお客様がおりましたら遠慮なくお声かけ下さい。

<以下、中国における植物特許及び品種登録に関する詳細>
 1.中国专利法
 第25条 次の各号のいずれかに該当する場合は、その特許出願について、拒絶査定をしなければならない。
 (1) 科学的発見
 (2) 知能活動の規則及び方法
 (3) 疾病の診断及び治療方法
 (4) 動物及び植物の品種
 (5) 原子核変換の方法により得られる物質
 前項(4)号に掲げた製品の生産方法については,本法の規定により特許査定をすることができる。
 2.2010年「特許審査指南」第二部分第一章第4.4節
 4.4動物と植物の品種
 動物と植物は生きている物体である。専利法 25 条 1 項(4)号の規定によると、 動物と植物の品種は特許査定してはならない。特許法で言う動物とは人を含まないものであり、自ら合成できず、自然の炭水化物と蛋白質を摂取することでしか生命が維持できない生物を言う。特許法で言う植物とは光合成により、水、二酸化炭素と無機塩など無機物で合成された炭水化物、蛋白質を利用して生命を維持し、通常は移動できない生物を言う。動物と植物の品種は特許法以外の他の法律・法規により保護されることができる。例えば、植物品種権は『植物品種権の保護条例』により保護されることができる。
 特許法25条2項の規定によると、動物と植物の品種の生産方法に対して特許を受けることができる。但し、ここで言う生産方法とは生物学上以外の方法を指すものであり、動物と植物の生産で主に生物学上の方法による場合が含まれていない。
 一つの方法が「主に生物学上の方法」に該当するかどうかは、当該方法における人的技術の介入度によって決まる。もし人的技術の介入が当該方法により達成される目的又は効果に対して、主要な制御上の役割又は決定的な役割を果たしている場合、当該方法は「主に生物学上の方法」に該当しない。例えば、輻射飼育法によるミルク生産量の多い乳牛の生産方法や、飼育方法の改善による赤身型豚の生産方法などは、特許を受けられる客体に該当する。
 微生物発明とは、各種の細菌、真菌、ウイルスなどの微生物を利用した上で、ある化学物質(例えば抗生物質)を生産するか、又はある物質を分解するなどの発明を言う。微生物と微生物方法は特許による保護を受けることができる。微生物に係る特許出願の審査は、本部分第十章の関連規定を適用する。

ヨーロッパでの植物特許及び品種登録に関して

 現状でのヨーロッパにおける植物特許の取り扱いに関してはこちらのブログ記事に記載させて頂きました。現状では、ヨーロッパでは植物特許は認めず、品種登録での保護ということになろうかと思います。しかしながら、これも将来的には変更がなされる可能性大ですので、その点は注意が必要です。ご興味のある方は、ブログ記事のほうをご参照下さい。