中国における特許から実用新案への出願変更に関して

中国における特許から実用新案への出願変更に関して

 日本においては特許出願は、基本的には特許庁に係属中においては実用新案登録出願に変更することができます。これは、特に特許出願が拒絶査定された場合に、どうしても権利として残したい場合などにおいては非常に有効な手段です。

 それでは中国ではこのような制度は有るのでしょうか?
 というのも、中国においては、実用新案権は特許権と同じように強力な権利(この点、日本の実用新案権とは大きく異なる)で、審査も新規性しか見られないので、特許から実用新案の変更があれば非常に有効ではないか、と思い中国代理人に質問しましたところ返答がありました。

 回答としては、中国においても特許から実案への出願変更制度は有りますが、変更には下記の3条件が必要ということです。
 1.その特許出願が優先権を主張していないこと
 2.その特許出願が中国庁に係属中であること(権利化や拒絶査定確定後は無理)
 3.その実用新案出願は、特許出願の出願日から12か月以内に行う優先権主張出願の扱いとすること(すなわち特許出願は取下げられる)

 これらの1~3の条件をすべて満たせば特許から実案への変更は可能だそうです。まぁ、日本特許事務所からの中国出願は基本ほとんどが日本出願に基づく優先権を主張しているため、1をクリアできず、出願変更はできないということになろうかと思います、、、(厳しいなぁ)。

 弊所は、日本特許・意匠・商標のみではなく、国際特許・意匠・商標出願を非常に得意としておりますので、そのようなお客様がおられたら是非遠慮なくお声かけ下さい。相談は無料です。お待ちしております。

 蓑和田国際特許事務所 蓑和田 登

2018年12月09日