植物細胞の国際寄託の手続き

植物細胞の国際寄託の手続き

 先週、植物細胞の特許生物寄託センター(IPOD)への国際寄託を行いましたのでその点を記載しておきます。

 弊所は植物特許・国際寄託を扱っている日本でも少数の特許事務所ですが、先週、複数の発明案件の植物細胞の国際寄託を行いました。

 寄託手順としましては、最初に申請書類を提出します。具体的には、最初に、①国際寄託申請書(原寄託申請書)、②国際寄託承諾書、③寄託委任状(代理人を立てる場合)を準備して寄託センターに提出します。①国際寄託申請書には、植物細胞の情報や培養条件を詳細に記載する必要があります。というのも、寄託センターは30年間もの長期間に亘ってその植物細胞を維持管理する必要性があるからです。

 次に、植物細胞の場合には固体培養(カルス培養等)を試験管5本以上、種子の場合には25粒×100パック(2,500粒以上)を提出します。基本的には、この提出時点で受領番号(正式な寄託番号ではない)が発行され、この受領番号をもって日本特許出願を行うことは可能となります。

 その後、寄託センターの方で生存確認試験が行われ、植物細胞の場合には発根が確認されることが必要となり、種子の場合には発芽率が85%以上が確認されれば、料金(約20万円)を寄託センターに納金し、正式な受託番号が発行されます。US出願の場合にはこの受託番号が必要となります。受託番号の発行までは寄託手続き後、通常1か月程度が必要となるので出願を急いでいる場合には早期に手続きを行うことが必要です。

 この料金20万円を高いとみるか低いとみるかですが、分譲申請があったときには分譲を行うために管理する必要があり、そのために国際寄託センターで30年間も管理される訳ですから非常に安い、とみることができます。

 弊所は、植物特許のできる日本で数少ない弁理士です。そのようなお客様がおられたら是非遠慮なくお声かけ下さい。相談は無料です。お待ちしております。

 蓑和田国際特許事務所 蓑和田 登

2018年09月11日