中国における部分意匠の取り扱いに関して(2019.3月時点)

中国における部分意匠の取り扱いに関して(2019.3月時点)

 最近は、多くの中国意匠出願のご依頼を受け(弊所サイトの中国意匠詳細はこちら)、その際に中国における部分意匠の取り扱いに関してのご質問がありましたので、備忘録として残しておこうと思います。下記は現地代理人に確認した内容ですので間違いはないと思われます。

 中国では現在、第4回特許法改正案が進行中(発効は未だ)であり、その中において中国意匠に関して重要な3つの改正点がございます。
 ①部分意匠に対する保護を明確化する。
 ②意匠の中国国内優先権制度を新設する。
 ③意匠の保護期間を延長する(10年から15年に延長)ことです。

 現時点の審査段階において、中国意匠法第2条第4項は以下のような改正が提案されています。
【意匠とは、製品の全体又は部分の形状、図案又はその結合及び色彩と形状、図案の結合に対して行われ、優れた外観を備え、かつ工業への応用に適した新たな設計を指す。改正のポイントは、「全体又は部分」の追加であり、これは、部分意匠が特許法の保護対象となることを示しています。】

 そして、上述した改正予定の中国意匠法第2条第4項に対して、現時点において中国特許局は、概ね以下の2点を明らかにしています。

 <一.部分意匠の保護対象>
 部分意匠は、例えば、ウォーターグラスのカップ口、電子レンジのつまみなどのような、製品のある部分に対する革新的なデザインです。「部分」は、「全体」に対しての概念であり、一般に「部分」とは全体の不可分な部分を指します。部分意匠の保護は全体に対する保護の拡張ですが、どのデザインのどの部分も部分意匠の保護対象とすることができるわけではありません。

 全体意匠保護対象の要件に加えて、特許法保護範囲に盛り込まれる「部分意匠」は、少なくとも以下の2つのケースを除外する必要があります。①デザインが一定の物理的スペースを占有することができない場合、「部分意匠」を構成することはできません。例えば、製品表面における閉じていない輪郭線など。②保護を求める「部分」は相対的に完全でない、又は独立できない場合、「部分意匠」を構成することはできません。

 さらに、部品は完全な製品からの分離可能な部品として、全体意匠の形、又は部分意匠の形で保護することができます。

 <二.部分意匠の出願書類に対する要求事項>
 ①登録願書には、出願は部分意匠であることを明記する。
 ②図面又は写真において、「点線と実線」又は「顕在化と不顕化」の形式で、保護対象となる部分意匠を明確に表示する。
 ③意匠に係る物品の説明において相応的に説明する。

 すなわち、端的にいうと、2019年3月の時点では未だ発効されていないが、中国では部分意匠は導入される予定で、且つ中国部分意匠の制度は日本の部分意匠の制度と極めて近似している、ということが言えると思います。
 
 ※弊所は、日本特許・意匠・商標のみではなく、国際特許・意匠・商標出願を非常に得意としておりますので、そのようなお客様がおられたら是非遠慮なくお声かけ下さい。相談は無料です。お待ちしております。

 蓑和田国際特許事務所 蓑和田 登

2019年03月29日