地理的表示(GI)保護制度

地理的表示(GI)保護制度

 上記マークに示す、農林水産省によるGeographical Indication制度が2015.6月よりスタートされています。

 GIの定義は、「農林水産物・食品などの名称で、その名称から当該産品の産地を特定でき、産品の品質などの確立した特性が当該産地結びついているものを特定できるもの」だそうです。

 具体的には、例えは「市田柿」のように、産地は長野県市田村、品質はもっちりで糖度が高い、知名度有、きめの細かな白い粉化粧と実はきれいな飴色、など「市田柿」という名称から産地と特性が分かることが必要です。

 まあ、端的に言えば、日本国の農水省が上記定義を満たす食品の表示にお墨付きマークのGIマークを与える、そんな感じでしょうか。海外に食品を輸出しても登録されていれば当然日本のGIマークを張って売ることで、Made in Japanが証明されます。すると、少々高くてもGIマーク付きの商品が買われることになるでしょう。

 このGIマークの制度は非常に魅力的です。農水省が品質保証していますし、不正な使用は行政が取り締まってくれるので訴訟などの負担が生じません。
 現在、このようなGIマークの付いている野菜果物などの食料品を見ることはあまりありませんが(現在登録はまだ38品種だそうです)、しかしながら、今後このGIマークは普及がますます進んでいくものと考えられます。皆さんも、スーパなどに行ったら探してみてください。

 これは、ヨーロッパのGIマークだそうです。ヨーロッパでは既に1300以上の食料品がGI登録されているそうで、やっぱりこのマークがあると買うときに消費者は安心するし、少し高くてもGIマーク付き商品を買おうということになり差別化できます。

 弁理士的に言えば、地域団体商標と非常に似ている、という点でしょうか。但し、地域の生産者はGI保護と地域団体商標を2つ同時に取れるし(例えば、夕張メロン)、また、商標法第26条第3項に商標権の効力はGI登録された名称には及ばない点が明記されています。

 地域の生産者は、これからはGI保護と地域団体商標の両方の権利を取得して、知財財産権を有効活用していくことが非常に重要となるのではないでしょうか。そうでないと、ミスミス非常に可能性のあるマーケットを失うことに繋がってしまいます。

 GI保護制度、商標に関して疑問点などあるお客様がおられましたら知的財産権のプロである弊所弁理士にまで是非ご連絡下さい。

 なお、私事となりますが、先日、弁理士ブログ村の方に加入しました。というのも、SEO的なことがこれからの士業には必要だと考えてのことです。今後、知財関連の記事、独立開業に関する記事、その他毒を吐くような記事を時々載せていく予定ですので、お時間があればお付き合いください。

 蓑和田国際特許事務所 蓑和田 登

2017年06月29日